脳トレ
よくダイエットとか、エクササイズとかヨガなど身体や健康を意識したことを日常で取り組んでいる人は多いと思う。こういった取り組みの中で食を意識するようになり、グルテンフリー、noMSG、ローカーボなんかの食事をする人も多いと思う。
身体のことや食事のことは意識してコントロールする人は多いけど、エクササイズなんかで健康を意識するように、脳に対してのエクササイズを気にしている人は少ないような気がします。
よく音読や速読は脳の活性化にいいと言われますが、これは側頭葉のウェルニッケ野が刺激されることで言語理解力が高まるためと言われています。
ただ音読や速読をするのではなく、「これによって側頭葉のウェルニッケ中枢をトレーニングしているんだ!」という意識をもってするかしないかでは効果が異なると思います。なんにしても意義をもっているかいないかで効果が大きく変わるということです。
私が脳のエクササイズで意識していいることは、記憶を捻りだすということです。
何かを思い出したい、思いつきたいと思ったときに、なかなか思い出せず、ひらめきもせずに諦めてしまうことがあると思いますが、これは脳の海馬しか使えていないからだと言えます。海馬を使っても捻りだせなかったら、次は側頭葉にある記憶から捻りだすという訓練が必要です。
すぐに思い出せる記憶は海馬にあり、無意識に記憶しているものは側頭葉という別の場所にあるからです。
これがうまく表現されているのが走馬灯という現象です。
走馬灯は死に直面して脳への酸素供給量が低下したときに、生きるために必要な情報を必死に探し出すために、まだ使える側頭葉から情報を探し出す現象です。
映画のアルマゲドンで核爆弾のスイッチを押す際に主人公の脳裏に走馬灯がよぎるシーンがありますよね。そんな感じです。
これを日常から意識して、海馬の記憶では思い出せないことを何とかして側頭葉の記憶から引っ張り出すという習慣をつけることも脳のエクササイズになります。これをしていると30分から1時間くらい座ったまま目を閉じて脳に意識が集中します。はたから見ると「寝てるのか?」と思われるでしょうが、脳はフル回転です。
ちょっとでも身体を動かすと、せっかく記憶を引っ張り出そうとしている見えない糸が切れてしまいそうで、微動だにすることができません。これをしているときはとても緊張感があり、そしてうまく記憶を引っ張り出せたり、ひらめいたときは思わずガッツポーズしたくなるくらい快感です。
ちょっと考えたくらいでは諦めない。絶対に側頭葉から捻りだしてやる。という執念でこれをやっていると、本当に記憶力やひらめきの量が増えていきます。
このことを意識するようになったのはある記事を読んでからです。
その記事がこれです。
締め切りが迫ると書斎に8時間ほど閉じこもる。
無から有を生み出すインスピレーションなどそう想都合よく簡単に湧いてくるわけがない。
メモの山を掻きまわし、腕組みをして歩き回り、ため息をつき、思い付きをいくつかメモし、そのどれもに不満を感じ、焼き直しの誘惑と戦い、コーヒーを飲み、自己の才能が尽きたと絶望し、目薬をさし、石鹸で手を洗い、またメモを読みかえす。
決して気力を緩めてはならない。
これらの儀式が進むとやがて神がかり状態が訪れる。
といっても超自然的なものではない。思い付きとは異質な新しい組み合わせのことだが、それがいくつもなされては消えてゆく、その中で見込みのありそうなものがいくつか常識のフルイの目に残る。さらにその中から自己の判断で最良のものを摘まみ上げる。
一瞬のことである。
分析すれば以上のごとくだが、理屈ではここにたどり着くことはできない。
私にはやはり神がかりという感じがぴったりくる。
これは星新一さんのインタビュー時のコメントです。
この詩に出会ってから、ひらめきを得るには諦めないであらゆる記憶を捻りだすことが大事だと思い、脳の記憶を捻りだす訓練(エクササイズ)をするようになりました。明らかに効果が出てきますので、皆さんもやってみてください。