musakuroの「社会人になるときに知っておきたかったこと」

「もっと早くこんなこと知りたかったなぁ」と思うことを気の向くままに書いてます。

ひとつの発想を得る

よく仕事中にデスクで固まったまま、1時間くらいじっと一点を見つめて時間が過ぎることがある。

傍からみれば「あの人なにやってんだ??」って感じなんでしょうが、その時の自分としては、頭だけフル回転状態になっています。そんな時は大抵、記憶を捻りだしているときであったり、もう少しで何かいいことが思いつきそうだということが多い。

 

なにかに集中して捻りだそうとするときは、大抵そのモードになってしまう。

これはある言葉に出会ってからだ。

 

ある日、歯医者に行って、待ち時間が長かったので、歯医者に置いてあったある雑誌を見ていた時にその言葉と出会った。その後、自分の人生や行動に影響を与える言葉となっているが、その時、雑誌に目を通して良かったなと思う。

 

けど、これも偶然ではなく、日々の習慣が良かったんだと思う。例えば待ち時間の間にスマホを見ても過ごせたのだか、普段から意識していることは、

「その場でしかできないものは体験しておこう、そしていつでもできることはその時はしないようにしよう。」

ということを心掛けていたので、歯医者で待っている際も、スマホはいつでも見れるし、せっかくだから目の前のラックにある、本来なら自分で買うはずのなかった雑誌でも読もう。と思ったのがきっかけだった。

 

そこで出会った言葉がこれです。

 

「無から有を生み出すインスピレーションなど想都合よく簡単に湧いてくるわけがない。」

 

この一文が無性に気になって、帰ってこのフレーズを調べているうちに全文に出会いました。それがこれです。(少し長いですが、いい言葉です)

 

「締め切りが迫ると、書斎に八時間ほど閉じこもる。無から有を生み出すインスピレーションなど想都合よく簡単に湧いてくるわけがない。メモの山を引っ掻き回し、腕組みをして歩き回り、ため息をつき、無為に過ぎてゆく時間を気にし、焼き直しの誘惑と戦い、思い付きを幾つかメモし、そのいずれにも不満を感じ、コーヒーを飲み、自己の才能が尽きたらしいと絶望し、目薬を差し、石鹸で手を洗い、またメモを読み返す。決して気力を緩めてはならない。これらの儀式が進むとやがて神がかり状態が訪れてくる。といっても超自然的なものではない。思い付きとは異質なもの同士の組み合わせのことだが、頭の中で各種の組み合わせがなされては消える。その中で見込みのありそうなものがいくつか常識のフルイの目に残る。更にその中から自己の決断で最良と思われるものを摘まみ上げる。一瞬のことである。分析すれば以上のごとくだが、理屈だけではここに到達できない。私にはやはり、神がかりという感じがぴったりする。」

 

これは星新一さんの言葉ですが、この言葉と出会ってから「考える」ことや、「思いつく」ことへの執着心が強くなり、じっと目を凝らし口や頭に手を当てながら考えを捻りだす時間が増えていった。

 

普段なら5分、10分考えて結論を出してしまいがちなことも、不思議なことに1時間、2時間考えると思わぬ発想を得たりする。

 

「あぁ、一つの発想を得るということはこういうことか。」

 

と、納得できる答えにたどり着くことが大いにある。多分私たちは日常の中で、パッと思いついたことで結論付けていることがとても多いんだと思う。たまにはそれを何時間もかけて考えてみてもいいんじゃないかな。と思う。

 

すぐに思いつくことは誰にでも思いつくことであって、独自性や独立心あるものにはなりにくい。

時にはじっくり時間をかけて考えて、頭からアイデアを捻りだすことで、自分なりの独自性ある結論を導く訓練も大切だと思う。この習慣が身につくと予定調和な議論に刺激を与えることができて、仕事で役に立ちます。