格物究理と換骨奪胎
こんにちは、musakuroです。
仕事のコツは、格物究理と換骨奪胎にあると言えます。
「格物究理」とは、物事を深く追求すること。
「換骨奪胎」とは、旧いものと新しいものを組み合わせて考えること。
です。
物事をあまり深く考えず、追及もあまりしていない物同士の考え方を組み合わせてみても、誰でもが思いつくようなありきたりの発想しか生み出されません。
しかし、ひとつひとつのことを深く考えて、それを組み合わせることで、誰もが簡単には思いつくことのできない、新たな発想や連想が生まれてくる。これはアウフヘーベンにも通ずるところがあります。
ひとつのことを深く追求するには、様々な切り口があります。
例えば、1分は60秒、1時間は60分、1日は24時間ということは、誰でも知っていると思います。
しかし、「1日は何秒ですか?」という質問に、即答できる人はあまりいないと思います。1日は86,400秒で、分換算だと1,440分です。
こうしたことを気にしたり、調べようとするかしないかで、ものの見方、気づきの差が生まれてきます。
また、シングル、ダブル、トリプルまでは誰でも知っていますが、では「その次は何か?」という質問に即答できる人も少ないと思います。
答えは「クアドラプル」です。
このように、ちょっとしたことをもう少し調べる習慣があれば格物究理は可能です。
そして、今までよりも少し深く追求したもの同士が組み合わさった時に、新しい発見が生まれてきます。
例えば、健康を例に格物究理と換骨奪胎を考えてみましょう。
①風邪をひかないようにするためには・・・と考えた場合。
風邪をひかないようにするためには、手洗いをする。マスクをする。といったことが一般的ですが、これはあくまでも菌やウイルスを体内に入れないという考えです。もう少し格物究理してみて、万が一、体内に細菌やウイルスが入った場合であっても風邪をひかないためには?ということを考えてみると、「免疫力を高める」ということが思い浮かびます。では、どうすれば免疫力が高まるのでしょうか?
体の免疫の約70%は腸で作られているといわれているので、腸が健康であれば免疫力が高まるはずだ。それなら、「腸内細菌のエサである食物繊維をたくさん摂ろう。」とか、リーキーガットによって、腸壁から菌が入り込まないようにするために、「グルテンの摂取を控えよう!」なんてことが分かってきます。また、免疫力を高めるには、新陳代謝を高めることが重要である。と思えば、代謝を高めるためには、体温を1℃上げて37℃台にすることが重要だ!とか。更に、1日に体内で作られる酵素の量は決まっているので、消化で酵素を無駄遣いせずに、代謝に酵素を回したい。そのためには、食べすぎないようにしたり、食物から補酵素を取り入れることが重要だと分かる。
このように、風邪をひかないためにはということを格物究理し、次いで、糖尿病にならないためにはということを格物究理してみましょう。
②糖尿病にならないためには。。。
そのためには、急激な糖分の摂取を控えることが肝要です。急激に糖分を大量に摂取してしまう食べ物は、砂糖や果糖ブドウ糖液糖が多く含まれた食品ということになります。甘いお菓子の食べすぎはもちろん、空腹時に清涼飲料水のようなジュースを飲むことは、急激に血糖値を乱高下させてしまいます。そうなると、すい臓からのインスリンの分泌が不安定になり、HbA1Cが高くなるので糖尿病になりやすくなってしまいます。
そして次に、③癌にならないためにということを格物究理してみましょう。
癌細胞は、毎日約5,000個生成されているといわれます。それが1㎝くらいになると、ようやく発見されるわけですが、1㎝のがんに成長するには約10年かかるといわれています。つまり、今発見された癌は10年前に発生したがん細胞といえます。これが増殖を繰りかえすことで癌と診断されてしまいます。つまり、発生したがん細胞を成長させなければいいということがわかります。癌細胞のエサは何かというと、糖分であり、これを発酵させてエサとします。よって、がん細胞にエサを多く与えなければ成長は鈍化するという仮説ができます。過剰で急激な糖分の摂取を避けて、ケトン体を生成させれば、正常細胞は生き延び、がん細胞は成長しにくい状態になると考えられます。これらのことから、ジュースや甘いお菓子は控えたほうがいいということが分かります。そして、がん細胞が一番活発に活動するのは35℃付近といわれており、37℃付近になると活動が停滞するといわれています。
このように、①風邪をひかないためにはどうするか?②糖尿病にならないためにはどうするか?③癌にならないためにはどうするか? ということを格物究理して、組み合わせて、換骨奪胎をしてみましょう。
そうすると身体のためには、
①体温を37℃付近にして免疫を高めること
②糖分の過剰摂取を控えるということ
この2つの組み合わせが最も効率的だということが分かってきます。
このように、格物究理したもの同士を組み合わせて考えることで新たな発見が得られます。
仕事においても同じことがいえます。
あまり考えていないもの同士を組み合わせたところで、人と違う発想は生まれません。
ひとつひとつのことを、人よりも深く追求し、それを組み合わせて考えることによって、人とは異なる「独自性」や「独立心」のある意見や考えが生み出されるといえます。
ぜひ、①もう一歩踏み込んで調べる。②もう一歩踏み込んで考える。③それを組み合わせてみる。ということを習慣にしてみたいものですね。
それではまた。