労働密度を高める
若手社員の研修をしている時によく話すことがあります。
入社して3年くらい経過すると、会社や仕事にも慣れ、緊張感がなく、学生の頃のようにダラダラとした態度の社員が増えてきます。
そんな社員がいる研修では、
「会社は、君たちが入社面接で表現していた姿勢や態度を基準にして採用しているのであって、今の君たちは入社面接の時のような返事もできないし、言葉遣いや、姿勢、服装、緊張感に至るまで退化している。本来であれば、面接の時よりも、返事や言葉遣いや歩く姿勢、座っているときの姿勢、緊張感のレベルが上がっていかなければならない。今の君たちの状態で入社面接を受けたら、間違いなく不採用になる。」
という風に伝えます。
慣れというのは怖いものです。
いくら仕事を覚えて、経験を積んでも、態度が退化していたら本末転倒です。仕事も覚え、経験値も上がった上で、そういったことのレベルを上げていくことをもっと意識してほしいものです。
そういう人たちは、とても時間を無駄にしてもったいないことをしているように感じます。
仕事に入るときはしっかり「仕事モード」に切り替えるという自己変換機能を持ち合わせていないということになるのでしょうが、この仕事モードに切り替えて、通常(日常)とは違うモードで仕事に取り組むことが、結果的に時間を立体的に活用でき、労働密度を向上させることになります。
時間を2次元的ではなく、3次元で捉えることで経験値の密度が高まります。そのためには、仕事中はしっかりモードを切り替え、背伸びをしてつま先歩きするようなイメージで緊張感をもって8時間の仕事に取り組まなければなりません。
「背伸びをして視野を広げているうちに背が伸びてしまうということもあり得る。
それが人生の面白さである。」
という言葉もあります。
学生は、困ってから本気出せば何とかなりますが、社会人は最初から本気を出すのがマナーです。
出勤してから8時間、最初から本気モードで真剣に仕事に取り組むことが労働密度を高める重要なポイントです。
また、若手社員を見ていると、真面目な人が多いなぁ。。。
という印象も強く感じます。
学生の内は、真面目というのは誉め言葉かもしれませんが、社会人だと真面目という表現は誉め言葉でもなんでもありません。
「真面目=普通」 です。
社会人は、真面目なだけじゃ全然だめです。
「真剣さ」が必要です。
「真面目ではなく真剣にやれ。社会人には真剣さが必要だ。
真面目だけの社員は時としてズルさを感じる。」
という言葉もあります。
社会人において真面目というのはしょせんプラマイゼロレベルです。
真剣にやることが大事です。真剣にやると、時には失敗することもありますが、プラスの成果を出すことも多いです。真剣にやっていればそれがトータルで必ずプラスになります。
人間関係で波風立てないために真面目にやるのではなく、失敗を恐れず、真剣に仕事に取り組んで「暇なら波風立てに行く!」ぐらいの気概を持って、時間を有意義に、濃密に活用してもらいたいものです。
全ての人にとって平等に与えられているのは「時間」です。
この時間の使い方次第で労働密度は大きく変わります。それが習慣づいている人と、そうでない人の1年後の差は歴然です。
仕事に入る時は、しっかり自分なりの「仕事モード」に切り替えて臨みましょう。